完璧主義はどうやって生まれるのか?~「親のせい」にしないと変われない理由

まずはじめに、自分にはどうして楽しい子ども時代がなかったのか、と考えてみることからはじめるとよい。そして負わなくてもいい責任を負わされたことによって、自分はどれほどのエネルギーを消耗してきたかという事実を受け入れるといい。
(「毒になる親」by スーザン・フォワード)

 

親が悪かったのか……? でも自分にも悪いところはあったし……

いちご

 

親がひどかったのか、それとも自分が繊細すぎただけなのか、親との関係を思うと、どうしても葛藤してしまうものです。

それは、育ててもらったという恩恵があるから。
そして、親を憎むことなんてできないから。

人は基本的に、親を嫌いになりたくない生き物です。

 

そういうときは、次の項目をチェックしてみよう

 

「親のせい」チェック
  1. 異性関係を含み、いつも人との関係がこじれたり、争いになる
  2. 心を開いて親しくなりすぎると、傷つけられたり関係を切られたりすると思う
  3. 人との関係では、いつも悪い結末を予想している
  4. 自分はどんな人間か、どう感じているか、何をしたいか、といったことを考えるのが難しい
  5. 本当の自分を知られたら、人から好かれなくなるのではないかと思う
  6. 何かがうまくいきはじめると心配になる。自分がニセモノであることを見抜かれはしないかと不安になる
  7. 理由もなく、無性に腹が立ったり、悲しくなったりする
  8. 何事も完全でないと気がすまない
  9. リラックスしたり、楽しく時間を過ごすことが苦手だ
  10. 善意で人のためにしていても、気づくと「まるで自分の親みたい」な行動をしていることがある

 

以上のうち、3分の1以上が当てはまるとしたら、それは、「親のせい」だと断言できます。

 

このことが理解できれば、あなたは生まれてはじめて、もう自分にはないと思っていたエネルギーがわき起こってくるのを感じるだろう。それは、これまでの人生の大部分において親のために費やしてきたエネルギーであり、本来なら自分をもっと愛し、自分に対してもっと責任が取れるようになるために使うことができるエネルギーなのである。

 

「毒になる親」by スーザン・フォワード

なぜ、「親のせい」にしたほうがいいのかを、この本から考察してみます。

親を弁護したくなる子ども

よく「親は悪意があってそういうことをしたわけじゃないんです」「彼らなりにできるかぎりのことはしたんです」と言って親を弁護するが、そのような弁護は、親が責任を果たさなかったという事実をあやふやにしてしまう。その子供が健康な心の発達ができずに苦しんだのは、ほかならぬ親のせいだったのである。

 

親のことを思うと、「でも、親も大変だったし……」という気持ちがわきおこり、問題点がボヤケてしまうことが多々あります。

大変な思いをしながらも育ててくれたという恩があるからです。

そして、親に感謝できない自分に対して、罪悪感を抱いてしまう。

だから、ますます問題を特定できなくなります。

問題点を明らかにできないということは、解決策も明らかにできないということになり、言葉にならないモヤモヤ、フラストレーションを抱え続けることになるのです。

しかし、それは、犯罪者を見て、「あの人も大変だったから……」と、無罪にしてしまうようなもの。

どんな理由があっても、やはり、「悪いことは悪い」と言いきれる強さを持たなければなりません。

それは、親自身を、全面的に否定することとは違います。

親に恩は感じつつも、不当な扱いを受けたことに対しては、ちゃんと怒っていいのです。

うやむやにしてしまうと、いつまでたっても、自分の心は回復できずに、あらゆる場面でひずみを生むことになります。

 

親の救いようのなさ、あるいは無責任さを見ると、子供はつい弁護したくなってしまうのである。それは、犯罪者をかばって被害者が謝っているようなものだ。

 

イヤなことに対しては、勇気を持って「ノー」と言う。

明らかに親が悪かった場合は、「親のせいだ」と言う。

それは、当然の権利です。

親子の役割が逆転することによる、精神的被害とは~完璧主義者の苦しみ

完璧主義になり、何をやっても不完全さを感じてしまう

 

社会に出ると、「この人は完璧主義だな」と感じることがよくあります。もちろん、自分に対しても。

そうすると、周囲は必ず言います。

「肩の力を抜いたほうがいい」
「あまり考えすぎないで」

でも、表面的なアドバイスだけでは、届くはずがないのです。

なぜなら、完璧主義になってしまった原因は、子ども時代にあるからです。

そこを癒やさないと、問題は解決しません。

これは、幸せな家庭環境で育った人には想像できないことかもしれません。だから、なぜそんなに気にするのか理解できないのでしょうね。

もっと、問題は根深いのだということを理解してもらえると、完璧主義の人にとっては有り難いと思います。

では、子ども時代のどんなことが原因だったのかというと、「親子の役割が逆転する」という状況です。

これは、もしかしたら無自覚の人もいるかもしれません。また、長女や長男タイプの人には多いかもしれませんね。

「自分が親を支えなきゃ」という思いです。

 

小さな子供は、大人の役を押しつけられてもうまくやりおおせるわけがない。なぜなら、子供はあくまでも子供であって、大人ではないからだ。だが子供はなぜ自分がうまくやれないのか理解できない。そして、フラストレーションがたまり、「不完全にしかできない自分」という自己イメージが生まれる。

 

いくら頑張ったところで、すべてを完璧にやり遂げられるわけではない。そのために自分に対する「不十分感」は消えず、心が晴れないので、ますます頑張るという悪循環に陥るのである。これはエネルギーを非常に消耗させ、いくら頑張っても何かをやり遂げた満足感は永久に得られない。

 

自分がしっかりしなきゃ、と頑張りすぎていたのです。

私は、このことを思うとき、映画「火垂るの墓」を思い出します。

主人公の清太(せいた)は、4歳の妹を守るために必死に努力しますが、結局は妹を死なせてしまいます。

この映画は、実は反戦映画ではありません。

間違った行動が、いかに間違った結果を生み出すかということが、裏のメッセージだそうです。

清太は、大人の言いつけを無視し、親戚の家を飛び出しました。妹と2人、自由で幸せな生活をするために。

しかし、本当は、どんなに苦しくても、プライドが踏みにじられたとしても、親戚の家にお世話になって、大人の意見に従っていれば、妹を死なせることはなかった。

そういう、子どもの身勝手さ、間違いを、描きたかったということです。

しかし、清太は、わずか14歳。しかも、戦争で両親を亡くしてしまいます。

いくら4歳の妹を守ろうとは思っても、自分にもまだまだ親が必要な時期です。

甘えたかったはずです。親に頼りたかったはず。

戦争という時代背景と、自分が親代わりにならなければという責任感から、間違った行動をとってしまった。

そのことを、責めることはできないと、私は思いました。

まだ、正しい判断のできない、未熟な子どもなのです。

それを、「自分のせいだ」と思うのは、過酷ではないでしょうか。

子ども時代に親子の役割が逆転していた人というのは、このような傾向になりがちなのだと思います。

なぜなら、自分がしっかり甘えられなかったから。

責任感は強いのだけれど、いざというときの判断を間違えてしまう。周囲の意見を無視してしまう。

それは決して、本人のせいではないのです。

健全な育ち方ができなかったから。

そして、早いうちに挫折を感じてしまうので、「自分はいくらやっても十分ではない」という不完全さをどんどん強化していくことになります。

「何をやっても満足できない」のは、そのためです。

だから、「自分のせい」にするのではなく、「環境のせい」「親のせい」にすることが重要だと思います。

「怒り」は向けるべき相手に向けなくてはならない

「親のせい」にできないでいると、慢性的な不満や、フラストレーションを心にずっと抱え込むことになります。

そうすると、親以外の人に、当たり散らすことになるのです。

家庭ではモラハラ。会社ではパワハラ。日常的にずっとイライラしている。そのような態度をとってしまう危険性があるのです。

親を守りたいがために、そのほかの人に迷惑をかけ続けることになってしまう。

だから、「怒り」は、向けるべき相手に向けなければならない。

要するに、きちんと「親のせい」にしなければならないのです。

恩もあるし、罪悪感も刺激されるけれども、一度きちんと、「親のせい」「環境のせい」だという事実と、向き合ってみるべきではないでしょうか。

まとめ

「毒親」という言葉には、なかなかの抵抗感があります。

自分の親を、「毒親」呼ばわりすることには、痛みがともないます。

だけど、親を断罪することでも、親を否定することでもなく、「悪いことは悪い」と、言える自分になることが大事なのだと、この本を読んで思いました。

そして、怒るべき相手は、いま目の前にいる人ではなく、「過去の親」なのです。

そのことを自覚し、過去の怒りや悲しみを清算することが、未来をひらくカギになると思います。

 

ということで。

 

まとめ
完璧主義者になったのは「親のせい」

何をやっても満足できないのも「親のせい」

一度きちんと怒ってみよう。

それこそ健全な生き方への第一歩。

 

 

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