書きたいことがない人ほど、ライティング技術を学んだほうがいい理由~心よりも技術が大事だった話

「伝えたいことがない」

書こうと思うと、必ず行きあたる葛藤である。
書きたい気持ちはある。でも、伝えたいことがないのだ。

私の経験
私の思い
私の考え

そんなものを書いたところで、面白くもなんともないだろう。
だいいち、人の役に立つ経験なんてしたことがない。

自分のための日記ではなく、読んでもらうための文章とはいったい何なのか。かれこれ数十年間、ずっと悩み続けている。
それでもやはり、伝えたいことがない。

書きたいと思った理由は単純だ。

小学生のとき、国語の授業で書いた俳句が高評価を得たことだった。何よりも父が大絶賛してくれたことがうれしかった。
書くって楽しいなぁと思った、最初の思い出だ。

よし! 俳人にでもなったつもりで書いてみよう!

そう決意したのも、つかのま……。何も思い浮かばない。言葉が出てこない。

あれ? 何を書けばいいんだ?

小学生の名俳人は、たった一句で燃えつきた。

脳とは、不思議なものだ。
褒められるときというのは、たいてい、褒められることを考えていないときである。

「褒められたい」を意識した瞬間から、思考はストップし、創造性を失ってしまうようだ。

じゃあ、どうしたらいいんだ?

そんな疑問に答えが出ぬまま、そして何も書かぬまま、何年も過ごしていた。

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「ライティング技術を学ぶ必要はない」

どうにかしようと思うと、必ず行きあたる葛藤である。
技術がわからないのではない。何を書きたいかがわからないだけなのだ。

書きたいことを書くのが、「書く」ってこと。
先生に説明されて書くなら、自分の文章じゃない。

それは、父の教えでもあった。
「他人からの指示なんて聞く必要ない」 そんなポリシーを持った父だった。いつしかそれが、私のポリシーにもなっていたのだ。

しかし父は、そのやり方ではうまくいかないことを、亡くなる直前に私に教えてくれた。そのときの私の動揺っぷりといえば、想像にかたくないだろう。

なんとかして、自分のやり方を変えねばならない。

すると不思議なことに、読む本や出会う人から、次のような言葉をよく聞くようになった。

「言われたとおりに、素直に実践してください」

とてつもない抵抗の嵐が吹き荒れる。心の奥底の反発心が、マグマのように熱くなっていることを感じる。

だが、考えても考えても、自分では何もわからない。ならば、わかってる人が言ってることを、素直に聞くしかないではないか。

ある意味で、あきらめだった。私にとっての白旗である。
素直じゃない自分に、チャレンジする気持ちが芽ばえはじめてきた。

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「ライティング技術を学んでみよう」

もう人に教えてもらうしかない。父のポリシーは捨てるのだ。
そんな気持ちで通い始めたライティング教室。

はたして、その結果は?

 

もっと早く学んでいれば良かった……

 

深く後悔するほど、たくさんの大切なことを、ライティング技術から学んだのだ。
私にとっては、まさに生き方の転換だ。

 

自分の書きたいことを書けばいいのではないということ。
「上から目線」で説明するのではなく、「思いやり目線」で伝えること。

 

学べば学ぶほど、そういうことだったのか!という衝撃の連続であった。

 

「伝える」って、そういうことだったのか……
「伝わる喜び」って、そういうことだったのか……

 

そして何より一番の収穫は、「伝えたい気持ち」を思い出したことだった。

小学生のときの、私の俳句が絶賛された理由。
それはきっと、伝えたい気持ちがあったからだろう。
「褒められたい」ではなく、あのときは明らかに、「伝えたい」であった。

その一方で、自分の経験は面白くないと思っている理由。
それはきっと、「これでは褒められない」という気持ちがあるからだろう。

「面白くない」のではなく、「評価を得られない」と思っているのだ。

だが大事なことは、面白いか・面白くないかではない。
伝えたいことが、伝わりやすくなるかどうかだ。

小学生の頃の俳句の題材は、決して面白いものではなかった。しかし、伝えたかったのだ。

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「書く」作業は、井戸掘りだ。

人は、自分の知っていることしか書けない。そして、自分が一番よく知っていることとは、自分の経験である。

その自分の経験のなかを、「伝えたい」という水源に当たるまで掘っていくこと。

掘っていけば、心は見つかる。水源は必ず、自分の中にある。

考えてみれば、井戸だって、技術がなければ掘れないのだ。

心がわからないなら、技術が先。

書きたいことがない人には、これがいい。私は、自己流では何も身につかなかった。

 

 

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