伝え方が9割|悩みと真剣に向き合う姿勢がなければ、苦手の克服なんて意味がない

 

「伝え方」のトレーニング方法を知っている人はいない。方法さえわかれば、必ずできる。逃げずに向き合う気持ちはありますか?

 

この本はコミュニケーションの本だろうなと思っていたのですが、メインは「書き方」でした。

それもそのはず。この本の著者はコピーライターなのです。

しかも、「伝え方」も「書き方」も、超がつくほど苦手だったそうです。

 

私がこの本を読んで学んだことは、悩んでいるのなら、技術は必ず磨けるということ。

ただし、悩みから逃げてしまえば、磨けない。

悩んでるかどうか? 向き合う気持ちがあるかどうか?ってことです。

 

「伝え方が9割」by 佐々木圭一

すごい経歴の裏には、コミュニケーション下手という悩みがあった

この本を読んで、何がすごいと思ったかといえば、著者の経歴です。

本文より抜粋します。

 

国内のコピーライターの賞をいただいたのをはじめ、日本人コピーライターで初めて米国広告賞で金賞、アジアの広告賞でグランプリになるなど、はるか遠くに見えた賞が面白いように手に入るようになりました。

 

この変化が、徐々にではなく、あるとき突然、やってきたそうです。

コピーライターとして活躍し始めると、作詞までも手がけるようになります。

 

ケミストリーさんや郷ひろみさんのプロデューサーたちから作詞のオファーがきて、アルバムがオリコン1位になったり、日本人クリエイター初、スティーブ・ジョブズのおかかえクリエイティブエージェンシーへの留学生にも選ばれました。

 

それだけの言葉を生み出せるなら、文系出身で、さぞ書くことが得意だったのだろうと思いきや、なんと理系なのだそうです。しかも機械工学。

コピーライターとは真逆の世界ですね。

しかも、子どもの頃からコミュニケーション下手で悩んでいたといいます。

転校ばかりで、新しい環境になじめず、いつも浮いた存在だった、と。

自分を表現することも、文章を書くことも、大の苦手。だから理系に進んだそうですが。

それなのに、なぜか広告業界へ就職し、最初は怒られてばかりのデキない社員だったというから驚きです。

ずっと悩みの連続だったのが、ある日突然、メキメキと活躍し始めた。

「徐々にではなかった」というのが印象的でした。

悩みとは、克服したいからこそ生じるもの

著者の経歴を読むなかで私が感じたことは、デキないことでも頑張り続ければデキるようになる、という意味ではないということです。

デキなかった頃のストレスは、ものすごかったようです。

自分の無価値さを感じ、ストレスで10キロも太ったり。人生、間違えたと思ったり。

きっと、満員電車に揺られながら、疲れたサラリーマンの姿をしていたことでしょう。

ただ、私が心にひっかかったのは、次の文でした。

 

伝えるのが苦手な私は、理数系に進みます。数字は、伝え方と関係ないからそちらのほうがラクだったのです。でもそんな青春時代を送りながら、「人にもっと上手に伝えられるようになりたい」という気持ちをおさえられなくなりました。

(中略)

私が広告をめざした本当の理由は、伝えることが上手になりたかったからです。

 

「伝えることが上手になりたい」

それが本音だったということです。そして、その気持ちがおさえられなくなった。

理系に進んだのは、自分の悩みから逃げたかったからだったのでしょうか。

「逃げ」なのか、「選択」なのか、というのは迷うところですが、結局のところ、「自分の本音」から逃げていないかどうか?ってところが大事なのだと感じました。

当たり前のように理系に進み、理系の職業につく人はたくさんいます。

「伝え方」について、特に悩んでもいなければ、それが当然のコースだと思います。

だけど著者は、「伝え方」について、子どもの頃から深く悩んでいたのです。

「悩む」とは、「克服したいから悩む」のであって、関係のない世界に行きたいという欲求ではありません。

そこに気づいたことが、すごいなと思いました。

悩みが深くなってくると、「ラクに生きたい」と思うものですが、「ラクになりたい」というのは逃げですね。

だから、いつまでもラクにはならないのです。

やっぱり、悩みと真正面から向き合うことが大事なんだなと、気づかせてもらいました。

「苦手に挑戦すれば、デキるようになる」という単純な話ではなく、本音がどこにあるのか?ってところが重要だと思います。

特に必要ないのであれば、わざわざ苦労するよりも、得意なことをやったほうが効果的です。

「伝え方」で悩んだあげく、「伝え方が上手いかどうかは関係ない」という結論に達することは、よくあります。

赤面しながら、つっかえつっかえ話す言葉でも、そこに思いがこもっていれば感動することがたくさんあるからです。

だけど、そういう人は、自分の思いを伝えようと必死なわけです。

その必死さと、悩みから逃げている自分の浅さとでは、重みが全然ちがいますね。

つまり、悩んでいる人にとって、「上手いかどうかは関係ない」という話は、言い訳にしかならないのです。

必死で向き合っていないという時点で、深みは得られません。

お金に悩んでいる人が、「お金じゃない」と言ったり。

見た目に悩んでいる人が、「見た目じゃない」と言ったり。

それは、条件や状況に流されずに、清らかな心で必死に生きていたり、自分の才能を発揮していたりすれば、輝いて見えるもの。

「お金じゃない」とか、「見た目じゃない」とか、言い訳している人は、そもそも輝かないのです。

悩んでいるなら、そことジックリ向き合う。

自分の悩みから逃げるのは違う。

「伝え方が上手になりたい」という悩みに向き合ったからこそ、人の心を打つコトバが書けるようになったのではないか。

そう感じました。

「伝え方」は、誰もが磨ける技術である

私ははじめ、いいコトバは、天から舞い降りて来るひらめきが必要だと思っていました。でもひらめきやセンスによらず、強いコトバをつくれる法則の切れ端を発見したのです。

 

文章力やコミュニケーション力はセンスによるもの。

私もそう思ってました。

だけど、これは技術であって、技術である以上、誰もが磨けるものだそうです。

「幸せになる勇気」でも、「共感力」は技術だから磨けるものだと書いてありました。

 

共感とは、他者に寄り添うときの技術であり、態度なのです。(中略)
技術である限り、あなたにも身につけることができます。
(「幸せになる勇気)

幸せになる勇気「幸せになる勇気」~なぜアドラー心理学は難しいのか?

 

すべてのことは、そうなのかもしれません。

性格の問題ではなく、技術の問題。だから必ず磨ける。

そこを、「自分はこういう性格だから」というのは、やはり「逃げ」ですね。

本当に解決したいなら、性格にとらわれずに技術を磨こうと、改めて思いました。

共感力も、文章力も、コミュニケーション力も、磨けるものです。

動物のなかで、もっとも賢い脳をもった自分です。できないわけがない。磨けばできる。

大事なことは、磨こうとするかどうか?ですよね。

強いコトバはつくるもの~既存ものからパクろう

この本では、「伝え方」のレシピがさまざま書いてあったのですが、なかでも印象的だったのは「強いコトバ」をつくるということです。

「強い言葉」というのは、文章法において、よく言われることです。

ただ、その「強い」というのが、なんとなくのイメージでしかなかったのですが、この本にわかりやすい定義が書いてあって、なるほどなぁと思いました。

 

「強いコトバ」を、人の感情を動かすエネルギーのあるコトバと捉えています。
そのエネルギーのことを、「コトバエネルギー」と私は呼びます。
「感動」というつかみどころのなさそうなものを、「エネルギー」と捉え直すことであやつることができるようになります。

(中略)

ジェットコースターの原理と同じです。コトバに高低差をつけてあげれば、エネルギーは生まれるのです。

 

ここを読んで、「強い」というものが、具体的なイメージとして浮かび上がってきました。

ジェットコースターのような高低差をつける。納得です。

そして、コトバとは、「つくるもの」だそうです。

突然、ひらめくものではなく、人工的につくるもの。

それをこの本では、「レシピ」と呼んでいます。

料理と同じで、レシピどおりにつくれば、良いものが出来上がる。

もちろん、最初にその技術を生み出した人は、本当に天才だったのだと思います。

マニュアルなどがなかった時代に、初めて感動的な言葉を生み出した人。

例えば、「私には夢がある」という演説をしたキング牧師は、即興で、あの感動的な演説をしたそうです。

文章術の本には、「リピート法」として、キング牧師の演説がよく紹介されています。

「私には夢がある」を何度も繰り返した(リピートした)ことで、インパクトを与えたと。

それを即興で考えたのですから、すごい人ですね。

この本では、「リピート法」の例として、童謡が挙げられていました。

 

「さいた さいた チューリップの花が~」
「まいにち まいにち 僕らはてっぱんの~」

 

歌謡曲でも、リピート法はたくさん使われています。

決まったレシピを使えば、印象的な歌は作れるということです。

最初に考え出すという天才を目指すのではなく、すでに知られている技術を使ってコトバをつくったほうがいいそうです。

それは、作曲に関しても同じような話を聞いたことがあります。

今はもう、素晴らしいメロディは出つくしている。新たにメロディを作るなんて無理である、と。

だから、今までに売れた曲を真似すれば、必ずヒット曲は出せるというのです。

既存の技術を学び、そのなかから作ること。

「レシピ」とは、ちょっとイヤな言い方をすれば、「パクリ」です。

曲にしても、文章にしても、他のビジネス分野にしても、成功の秘訣はパクリなのです。

まとめ

ここまで、著者の経歴や、悩みについての話を主にとりあげましたが、この本は、「書き方のレシピ」が書かれている本です。

これを真似すれば、「書き方」がうまくなりそうだと思えるような、とっても役立つレシピばかりでした。

特に、タイトルの付け方、見出しの付け方などは、ブログに限らず、会社の報告書や、ちょっとした文章でも活用できそうなことです。

ぜひ、取り入れてみるといいと思います。

 

ということで。

 

まとめ
悩みに向き合う姿勢が、一流のワザを磨く秘訣。

技術は、既存のものを真似すればいい。

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